山と旅と気象と

金剛山・大和葛城山

六甲山、生駒山に続く関西での山行第3弾。憧れのダイヤモンドトレイルを縦走する前に、まだ歩いたことのない金剛山や中学の耐寒登山以来20数年ぶりに訪ねる大和葛城山へ。下りは櫛羅の滝コースの情報が事前に入手できず、ロープウェイで下山することとして、葛城高原ロッジで日帰り入浴や昼食をいただきました。

山行概要

山行日程

2022年7月10日(日曜日)

天気

曇 後 晴 昼前 時々 雨

朝の電車移動中に降っていた雨も、登山口到着までには上がり、基本的には曇り空の下の山行でした。当初心配していた雨も、水越峠から大和葛城山への登り返しの途中に少し当たった程度ですぐに止みました。結果、金剛山・大和葛城山ともに山頂からは高曇りの空の下の風景を楽しむことができました。

アクセス

往路

近鉄長野線・南海高野線河内長野駅/河内長野駅前3番のりば→南海バス→金剛登山口

復路

葛城山上駅→近鉄葛城鋼索線(ロープウェイ)→葛城登山口駅/葛城ロープウェイ前→奈良交通バス→近鉄御所駅前/近鉄御所線・近鉄御所駅

コース

コース詳細

金剛山登山口バス停→ 千早城跡 → あずまや → 金剛山山頂広場(休憩) → 一ノ鳥居 → 一等三角点 → 大阪府最高地点 → 金剛山駅 → 金剛山山頂売店(休憩) → 大日岳 → 六道ノ辻 → 太尾塞跡 → 一ノ背 → 水越峠バス停 → 水越峠(休憩) → 大和葛城山 → かつらぎ高原ロッジ(入浴・昼食) →大和葛城山 → くじらの滝コース入口 → 葛城山上駅 (下山)

コースタイム(金剛登山口→大和葛城山)

ヤマレコ 7:50、実測 4:32(うち休憩0:38)、コースタイム比 0.579(休憩なし0.498)

補足情報

近鉄御所駅の観光案内所で配布されていた地図ですが、YAMAPで通行止め表記になっている「櫛羅の滝コース」は迂回路が設定され通行可能になっています。

GPS記録

ヤマレコ

YAMAP

山行記録

河内長野駅→金剛登山口

河内長野駅西口に出るとすぐバスロータリーがあります。こちらの3番乗り場から金剛山方面へのバスが出ています。

南海バス小深線で揺られること30分弱、金剛登山口到着です。金剛山ロープウェイ方面へ向かう方も多数

金剛登山口バス停にはお休み処や自販機もあり、登山開始前の補給も可能です

金剛登山口→金剛山

金剛山はルートが多彩。花も色々楽しめるようです

今回は千早城址を経由して山頂を目指す千早本道から登ります

登り口には千早城の由来と甲冑を模した何か

こちらの鳥居をくぐり、石段をひたすら登っていきます

千早城趾

しばらく登ると千早城址に到着

茶屋がありますが、タイミングが合えば営業してるのかな?

千早城址から山頂方面へ進むと千早神社。標高が634mで東京スカイツリーと同じ。

千早神社を過ぎると少し登ったところに四阿があり、その後木段を経由して金剛登山口からの別ルートとの合流点へ。ここも標高634m

千早本道

ここから山頂までの千早本道はひたすら階段登り。途中○合目の表示が出てきます。5.5合や6.5合なんていうものも。5合目には四阿があって休憩が可能。それにしても、突然ですが現れたウルトラマンとバルタン星人は一体……

楽な道経由

9合目が、山頂までの近道と楽な道の分岐になっています。今回は楽な道を選択。距離は伸びますが、緩やかな登りのトラバースを進みます。最後ひと息のところには「ご苦労さんでした 頂上まであと一歩」や金剛山由来の看板あり。

金剛山山頂

登り切ると金剛山頂売店とその隣に捺印所があります。何の捺印所かは後ほど。気温表示はこのとき19℃。下界に比べれば涼しいですが、一気に登ってきた分暑い……

登ってきた側にターンして目指すは國見城址こと山頂広場。金剛山といえば、10分ごとに撮影されてWebサイトに掲載される山頂カメラの写真が有名ですがそのポイントへ。

到着は8:42。休憩を兼ねて8:50と9:00のカメラにフレームインしてみることに。

天気が多少心配でしたが、この時点での金剛山は高曇りで、大阪平野の風景がバッチリ。PLの塔も見えますね。

山頂広場には四阿もあり、ここでのんびりするのも良さげ。ちなみにカメラはこの白い柱の上に取り付けられています。

金剛山周辺

金剛山転法輪寺と葛木神社

2回フレームインするのに成功したので、金剛山周辺散策へ。

まずは転法輪寺へお詣りです。

今から1300年程昔、修験道の開祖、役行者様が16歳のとき金剛山に登って苦修練行を重ねた結果、

祖神一言主大神を鎮守とし、法起大菩薩を祀る金剛山寺(転法輪寺)を建立されました。

また行基、鑑真、最澄も当山で修行したとされています。

現在も修行が行われている山岳地帯として多くの修験者が訪れています。

https://www.katsuragi-syugen.or.jp/

真言宗醍醐派大本山金剛山転法輪寺は大阪府と奈良県の県境の金剛山山頂にございます。(標高1125メートル) 三角点付近には、葛城二十八宿経塚の中でも最高峰に鎮座される、第二十一番目の経塚「妙経如来神力品」を有する霊峰でございます。今から千三百年程昔、修験道の開祖、役小角(役行者神変大菩薩)様が当山で厳しい修行中、華厳経諸菩薩住処品第卅二のなかに次のような一節、「海中処アリ金剛山ト名ヅク、昔ヨリ以来諸菩薩衆中ニ止住セラレ現ニ菩薩アリ法起ト云ウ、ソノ眷属諸菩薩衆千二百人ト共ニ常ニソノ中ニアッテ説法ヲ演ジ給ウ。」という教えから法起菩薩様を感得され、一乗山 金剛山寺(いちじょうざん こんごうさんじ)を建立されました。後に金剛山寺にお参りする事を『こんごせ参り』と云われる様になりました。今でもその名残として、千早赤阪村では「こごせ」という言葉は使われています。現在の山号は『金剛山』で、寺名は『転法輪寺』です。奈良時代から鎌倉時代に到る間に修験道は確固たる地位を築き上げ、当寺も近畿の修験道七高山の一つに数えられ、全国の山伏行者達の修行場として大いに栄えました。現在の当山の様子は365日多くの一般登山者が来山し、四季折々の山の景色を楽しまれておられます。冬の時期は多い時で約40センチの積雪がある為、家族連れの方々も気軽に雪遊びにご来山されます。

https://www.katsuragi-syugen.or.jp/about/

厳冬期の積雪した金剛山もいいな……

転法輪寺からダイヤモンドトレイルへ。このコンクリートの登り坂をたどります

夫婦杉や福石を横目に見つつ、目指したのは葛木神社。金剛山1125mは先ほどの山頂広場ではなく、本当の最高地点は葛木神社の御神域にあるため入れません。代わりに葛木神社へ参拝

葛木神社からダイヤモンドトレイルに戻り、非常に整った道を通って一の鳥居を通過。金剛山ロープウェイ方面を目指します

一等三角点

途中の三叉路。ダイヤモンドトレイルは直進なのですが、一等三角点金剛山を目指します。多少急な坂の先には展望塔がありますが立入禁止。その横の踏み跡の先に三角点があります。

一等三角点金剛山のあるピークは湧出岳と名付けられています。

大阪府最高地点

大阪府最高峰は大和葛城山なのですが、それよりも標高の高い場所が金剛山にあります。ダイヤモンドトレイルをたどると怪しげな法面を発見。その先に踏み跡と道標がありました。

道標には小さく斜め矢印と「大阪府最高地点」の文字。踏み跡をたどると先ほどの法面の上に出ることができ、大阪府最高地点1,053mに到達です。

展望台〜かたくりの路

ダイヤモンドトレイルに戻り、今度は展望台へ。遠景が楽しそうな場所なので、晴れ渡っているときに再訪かな……。さらに先へ進みちはや園地手前でダイヤモンドトレイルを離れかたくりの路に入ります。

金剛山ロープウェイ

かたくりの路を抜けると、金剛山ロープウェイの金剛山駅。2019年3月から運行休止で、2021年3月には千早赤阪村議会で村営での事業を廃止する条例が可決されました。今後は民間譲渡などを探っていくということですが……

金剛山ロープウェイを後にし、トラバースルートを辿って、花を愛でながら金剛山山頂へ戻ります

金剛山山頂茶屋

朝イチでは立ち寄らなかった茶屋ですが、ここから先に進む前に補給を兼ねて休憩です。

ヨーグルト風味のソフトクリームが沁みる

こちらの売店は品揃え豊富。中にはイートインスペースもたくさんあるので、こちらでゆっくり食事もできますね。またmont-bellコーナーまであるので、急な入用や記念のものを買うにもうってつけ。

金剛山では登山ごとにハンコを捺印してもらい、その回数に応じてバッジが授与されるシステムがあります。高尾山の健康登山みたいですね。初回は売店で購入。2回目以降は売店横の捺印所で押してもらいます。

金剛山→水越峠

ほどほどに回復したので、先へ進みます。売店横の踏み跡から北へ

赤坂町石道を分け、金剛山地の尾根道へ。途中大日岳、六道ノ辻、太尾塞跡などを経由しますが、かなりの急傾斜の区間も多く、水越峠への下りに取る場合には足下に注意が必要です。

太尾塞跡からは二手に道が分かれ、どちらも水越峠に到達できるのですが、ヤマレコの設定ルートに従うことにしました。

一の背。尾根道が左右2つの踏み跡にキレイに分かれる箇所。ここで進路を右に取り、水越峠を目指します。

水越峠までは踏み跡も明瞭。金剛山1125mから約500mまで一気に高度を下げてきました。車道(国道309号旧道)に出ると、府県境まで車道をたどります

途中水越橋を越え、ダイヤモンドトレイルが合流し、府県境の標識が見えたら水越峠到着です。

水越峠→大和葛城山

ダイヤモンドトレイル

水越峠で買ってきた塩むすびを食べて補給と休憩をしたら、ダイヤモンドトレイルをたどって大和葛城山へ。水越峠から大和葛城山への登り返しは階段・急登続きです。

大和葛城山まで残り1kmを切ったあたりで樹林帯を抜けて高原風景が広がります

空が広い。葛城高原です

蜜を集める昆虫たちで道端の花が賑わっていました

大和葛城山

高原を進むと葛城高原自然つつじ園に到着。つつじ園には入らず、そのままダイヤモンドトレイルをたどった先で大和葛城山山頂への踏み跡に入ります。途中には葛城高原ロッジや公衆トイレあり。

大阪府最高峰・大和葛城山到着。隣にある赤い丸ポストが目を引きます。山頂名標の横に何やら看板

ここにもライブカメラあったんですね……

二等三角点・篠峰山

今回の山行はここまで。かつらぎ高原ロッジで日帰り入浴とランチを楽しみます。

大和葛城山→近鉄御所駅

かつらぎ高原ロッジ

山頂から尾根伝いにすぐ。先ほどのライブカメラ映像はこちらのホームページで見ることができます

日帰り入浴とランチは11時から15時。宿泊も受け付けています。入口すぐには売店も。

お風呂は大人1人500円。麦飯石を用いた天然石温泉です。5〜6人入れば満員な感じの広さですが、利用時は自分1人だけでしたのでのんびりとできました。

おまちかねのランチ。ここは鴨料理が名物とのことで、まずはビールとかも皮揚げ。カラッと揚げられた皮でビールが進みます。そして、かも丼も。秘伝の漬け込みの濃厚な味が汗をかいたあとの身体にとても美味しいです。

ふたたびの大和葛城山山頂

しっかり休憩したのち、大和葛城山山頂を経由してロープウェイ駅へ。途中にある白樺食堂も面白そうなので今度寄ってみたいですね

近鉄葛城山ロープウェイ

お酒を飲んだのもあり、ここからはロープウェイとバスを乗り継いで下山。歩く場合は北尾根コースと櫛羅の滝コースがあります。ロープウェイ駅からは奈良盆地の風景がバッチリ。このタイミングでは逆に金剛山の方が霧に包まれていたようなので、天気の読みはバッチリでした。

ロープウェイの葛城登山口駅からは近鉄御所駅まで奈良交通バスに乗車。ここの区間も史跡があるようなので、次回はたどってみたいと思います。

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