山と旅と気象と

白山

山行概要

山行日程

2022年9月17日土曜日

天気

晴 後 曇 御前峰から室堂にかけて霧雨の時間あり

アクセス

往路:夜行バスで金沢駅へ。金沢駅東口1番乗り場から北鉄白山登山バス(急行バス)で市ノ瀬へ。シャトルバスに乗り換えて別当出合下車。
復路:別当出合からシャトルバスで市ノ瀬へ。市ノ瀬から白山登山バス(松任便)で松任駅へ

コース

コース詳細

別当出合→別当坂→(観光新道)→殿ヶ池避難小屋→黒ボコ岩→弥陀ヶ原→白山室堂ビジターセンター→御前峰→翠ヶ池→千蛇ヶ池→大汝峰→(近道)→白山室堂ビジターセンター→黒ボコ岩→南竜道分岐→(砂防新道)→甚之助避難小屋→中飯場→別当出合

コースタイム

ヤマレコ10:13、山と高原地図9:37、実測5:02(※休憩除く ct比:ヤマレコ0.493、山と高原地図0.523)

GPS記録

ヤマレコ

YAMAP

山行記録

手取川を上流へ遡る

手取川水系とは

加賀平野を流れる手取川(国土交通省WEBサイトより)

一級水系源流完全制覇の旅第12夜、14水系目として北陸・石川県を流れる手取川水系の源流・白山へ行ってきました。

手取川は、その源を石川県石川郡の白山(標高 2,702m)に発し、尾添川、大日川等の支流を合わせ、石川郡鶴来町地先に至り、これより山間部を離れ石川県の誇る穀倉地帯である加賀平野を西流し、石川郡美川町において日本海に注ぐ、幹川流路延長72km、流域面積809km2の一級河川です。

今回はアプローチも石川県側からのため、手取川をたどって源流白山を目指すことができる山行となりました。

白山登山バス(北鉄)

金沢駅までは夜行バスを利用。朝5時に金沢駅到着後、改札外の駅弁コーナー「むすび屋」の開店を待って朝食を調達します。加賀や能登の食材をふんだんに使ったおにぎりやコロッケが種類豊富で選ぶのも楽しいお店でした。金沢に立ち寄る際には是非また利用したいですね。金沢から白山へのアクセスは、金沢駅東口1番乗り場から出る北鉄の白山登山バス(急行バス)を利用します。金沢駅6:30発で市ノ瀬8:40着の、ダイヤ上は2:10のバス旅。早めに乗り場へ到着したため、先頭で並ぶことが出来てバスも特等席の確保に成功しました。白山の登山口である市ノ瀬や別当出合へ向かう国道157号や石川県道白山公園線は、その手取川に沿っており、だんだんと渓谷らしさが増してくる様子がバスの窓から楽しめます。白峰温泉を越えて山合いに入ると次第に電波が不安定になります。それがまた復活し始めると市ノ瀬到着です。

市ノ瀬→別当出合シャトルバス

市ノ瀬から登山口となる別当出合へは、マイクロバスで運行されるシャトルバスに乗り換えます。このシャトルバスは北鉄ではなく、株式会社マップという地元のバス事業者が松任駅と市ノ瀬を結ぶ便とともに運行しています。市ノ瀬ビジターセンターの前のテントで乗車券が販売されており、それを購入してからシャトルバスに乗り込む形となっていて、真っ直ぐ乗り場に向かってもチケット売り場に向かうように係員から指示されます。北鉄のバスが到着した時にはある程度席が埋まった状態のシャトルバスがビジターセンター前に停車しており、テントで往路分の市ノ瀬→別当出合のチケットと復路の別当出合→市ノ瀬→松任のチケットをまとめて購入し、シャトルバスへ急ぎました。補助席まで満席になったシャトルバスは別当出合へ向けて出発。約15分で別当出合に到着です。

別当出合→白山室堂

別当出合

別当出合(標高1,260m)には管理事務所があり、登山届の提出場所やトイレ、そして屋根付きの休憩スペースがあります。隣には別当茶屋があり、飲み物やお菓子、お土産を購入可能です。白山への一番メジャーなルートの拠点となっています。色々整えて、予定より早い0908時にクライムオン。別当出合の登山口には大きな鳥居があり、その手前の石造りの登山口標柱と合わせて記念写真を撮る方も多かったです。鳥居をくぐると二手にルートが分かれます。左手が観光新道、右手の吊橋の向こうが砂防新道です。

観光新道を登る

往路は観光新道へ。まずは別当坂・喜一郎坂の急登を詰めて尾根筋を目指します。滑りやすいゴーロと火山性の土の急坂で、ここがなかなか足場が悪い道でした。その一方で、さすが花の百名山だけあって最盛期は過ぎていたものの登山口から色とりどりの花が迎えてくれました。別当坂分岐で白山(越前)禅定道と合流すると、観光新道に入ります。笹原の稜線のアップダウンを繰り返しながら、大きな岩を巻き、七ツ坂を越えると、別当坂分岐からもチラッと見えていた白い小屋に到着します。殿ヶ池避難小屋です。中は覗かず、小屋の前のベンチで小休憩。ここから蛇塚や黒ボコ岩を経由して弥陀ヶ原までもまだまだ急登が続きます。黒ボコ岩では砂防新道と合流するので、観光新道ではそれほど多くなかったハイカーで賑わっていました。ここまでなんとか青空を保っていたものの、弥陀ヶ原の木道に入り、白山室堂が近づくにつれ霧がかかってきました。それでもまだ天気がぐずつくことはなく、白山室堂に1134時到着しました。

白山室堂ビジターセンター

白山室堂ビジターセンターは宿泊所やレストラン売店も兼ね備えた大きな施設で、センター前のテーブルベンチもたくさんあって、かなり大勢のハイカーが思い思いに休憩して賑わっていました。ビジターセンターのレストランのランチ営業に間に合う時間で、カレーやラーメンなどのメニューにも心惹かれましたが、あいにく持ってきた食糧もあり、そちらの消費を優先することにしたのでレストランはまたの機会に。白山比咩神社の奥宮祈祷殿があり、夏シーズンであれば御朱印も授かれたようですが、こちらも授与期間終了でまた来年以降ということに(立山みたいなことになってますね)。20分ほどの休憩の後、白山の最高地点・御前峰目指してリスタートしました。

手取川水系源流&石川県最高峰・白山

御前峰へ

白山比咩神社奧宮の裏からはしばらく石畳の階段が続き、途中からはハイマツの間を葛折りで登るルートに変わります。登っている間に少し霧雨にも遭いましたが、比較的空は明るいまま、祠のある頂上付近に到着。その祠が白山奥宮で、御前峰の標柱はその裏にあります。御前峰は白山最高峰で標高2,702m、そして一級水系手取川水系の源流です。また、一等三角点・白山が標柱の前にあります。霧に包まれながらも、時折頭上の雲だけは切れて陽が射す瞬間もありましたが、やはり眺望については残念な結果になりました。

お池めぐり

少し休憩したのち、お池めぐりへ出発。「白山は日本最西端の高山」というパネルに始まるお池めぐりは、紺屋ヶ池、油ヶ池、翠ヶ池、血ノ池、千蛇ヶ池などを経由して室堂に至る散策コース。ガレ場が中心で、天柱石・御宝庫を過ぎると急坂を下って、紺屋ヶ池と油ヶ池の間を抜け翠ヶ池に出ます。剣ヶ峰へのアプローチは紺屋ヶ池のあたりにありそうですが、ロープが張られ通行禁止区域にあたるようです。翠ヶ池は白山火山の代表的な火山湖で1042年に起きた水蒸気爆発によって出来たと考えられているそうです。非常に美しい濃碧の池で、足を止めて見入ってしまう風景でした。血ノ池まで進むと、北へ伸びる登山道と室堂へ向かう登山道の分岐となります。ここでは大汝峰を目指し北へ伸びる登山道に入りました。

大汝峰から白山室堂へ

分岐から明瞭な登山道を北へ進むと、前方に3方向に分かれた分岐に至ります。正面が大汝峰へのルート、左は大汝峰の巻道、右は中宮道という中宮温泉へのルートです。大汝峰へはガレ場の登り。ところどころ大きい岩があり、それを乗り越える形です。大汝峰山頂には立派な霊峰白山の標柱と大汝神社の祠が建立されています。少し霧が晴れたところもありましたが、概ね真っ白で眺望は得られず。しかし、特に木々に囲まれていない山頂なので、晴れてさえいれば山頂も広くて最高の眺望ポイントだったと思います。

下りも足下に注意しながら、お池めぐりとの分岐まで戻り、霧の中を白山室堂へ戻ります。千蛇ヶ池の分岐でお池めぐりコースと室堂近道ルートが分かれるのですが、あいにくの天気のため近道コースを選択。小さなアップダウンを経て白山室堂ビジターセンターまで戻ってきました。

白山室堂ビジターセンターに戻ったのが13:35で既にランチ営業は終了。売店で飲み物と記念の手ぬぐいを購入し、ひと息入れて荷物整理もしました。

砂防新道タイムトライアル

そして13:45に下山開始。バスダイヤの見方が分かりづらく、別当出合16:30発の松任駅直通便が無さそうなのと、市ノ瀬15:30発を逃すと17:30発まで待たないといけないということにやっと気付きました。そして現在時刻を見て、これはもしかして市ノ瀬15:30発のバスに間に合うのではないか?と頭をよぎったのでした。往路で通った観光新道の道の悪さを考えると、コースタイムでは少し長くなるものの砂防新道で下山した方が早い可能性に賭け、予期せぬ下山タイムトライアル開始です。

霧雨の弥陀ヶ原を抜け、黒ボコ岩から砂防新道へ。山腹のトラバース路をどんどん下りて行きます。ここがなかなか高度感のある細いトラバースですが、足下はかなり整えられているので非常に歩きやすいです。南竜分岐を14:12、甚之助避難小屋を14:20に通過、ガレ場、石段、木道によくある土の道などバリエーション豊かな登山道をぐんぐん下りていきます。雲が低く、ある程度高度が下がると両白山地西側の山間の風景が目の前に広がってきました。14:46に中飯場を通過、なんとか行ける気がしてきたところで、登降分離ルートに差し掛かります。吊橋を15:01、別当出合登山口の鳥居を15:03に通過し、市ノ瀬行きのマイクロバスが目の前に見えて最後はダッシュでバスへ駆け寄りました。

〆は後泊・金沢で

復路の白山登山バス(別当出合→松任駅)

息を切らしながら市ノ瀬15:30発のバスに間に合うか確認したところ、係員の方が市ノ瀬に連絡をとってくださり、少し発車を待ってもらえることになりました。まずはチケットを見せてくれということだったので、ザックの中から急いでチケットを取り出して別当出合→市ノ瀬分を手渡し、マイクロバスへ乗り込みます。座席が埋まるまで出発を待つ形でしたが、市ノ瀬には15:30より少し早く着き、15:30発の他の乗客の皆さんにさほどご迷惑をおかけしなかったことにホッとした次第です。市ノ瀬ビジターセンターにゆっくり立ち寄ることはできませんでしたが、白山で歩きたいコースを残して帰路に着いたので今後の課題ということで。

金沢で銘酒・手取川と加賀名物をいただく

市ノ瀬から松任駅までは1:40ほどのバス旅。松任駅からは北陸本線の各駅停車で10分、朝出発した金沢駅へ戻ってきました。駅前のドーミーイン金沢にチェックインしたのですが、台風が近づいているとはいえ、さすがシルバーウィーク前半3連休の初日だけあって、チェックインの列もなかなかの人数。部屋に着いてから温泉や洗濯を済ませて夕食のために外出したところ、駅近のお寿司屋さんが軒並み大行列か受付終了となってしまっていました。

そんな中でドーミーインの宿泊者特典で一品サービスしていただける加賀料理のお店が、ドーミーインのすぐ裏にあると知り、店で待てば座席が確保できそうだったのでそちらを訪問することに。訪問したのが、座吟さん。加賀野菜や北陸の海鮮を使った料理が豊富で、地元の日本酒も各種取り揃っています。手取川という名の日本酒もあり、今回はこれと加賀料理で乾杯。夜行バスからの日帰り山行+後泊という少し慌ただしい日程ながら濃密で満足のいく旅となりました。

コメント投稿フォーム

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP